幼子イエスが過ごしたエジプトからつながる旅-南フランスへ

私は今夜より、南フランスへ香りの道を辿って旅に出ます。

きっかけはシンプルで、「マグダラのマリアの洞窟を訪れたい」という想いからでした。そこには古い薬局や修道院のハーブ園、そして蒸留の文化など、香りと祈りに結びついたものが残っています。

振り返ると、ここ数年で私はエジプトの香りの文化にとても深く惹かれてきました。

古代エジプトで焚かれ続けたフランキンセンスとの出会いからのオマーンの乳香、イエメンのミルラやドラゴンブラッド、そしてマグダラのマリアと結びつくスパイクナードへと、まるで導かれるように出会いを重ねてきました。

その中で思うのは、イエスが幼い頃、聖家族とともにエジプトで暮らしたという伝承です。

エジプトは香りと薬草の文化が豊かに根づいた土地。幼子イエスがそこで過ごしたことは、「香りの文化とキリスト教が結びつく」イメージを私に与え続けてくれました。

そう考えると自然に、「では、この香りの文化がヨーロッパに渡ったとき、どのように形を変えていったのだろう?」というように毎日のように考えるようになりました。考え始めたらもう動くしかない 笑。

特に南フランスやイタリアには、キリスト教と深く関わる修道院の文化があり、薬草や蒸留、祈りと香りがひとつになっています。

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そして当店のオイルやお話の中で幾度となく登場するマグダラのマリアは「香油(特にミルラ)を携える者(マイラフォー)」の象徴であり、癒しと祈りのために香油を使った女性でした。

彼女の姿は、古代から続く「香油を運ぶ者たち」の秘密の系譜に重なっていきます。

その系譜をさらにたどれば、古代エジプトの巫女たちに行き着きます。

神殿で香油を調合し、王や神官に塗油を施し、死と再生の儀礼の役割を担った彼女たち。彼女たちの叡智は、地中海を越えて伝えられ、時を経てマグダラのマリアの手に。

私は南フランスで、この「古代エジプトの巫女からマイラフォー、そしてマグダラのマリアへと流れる系譜」も、土地の空気を通して感じ取りたいのです。

香油と祈りが織りなす見えない空気の中に身を置くことで、香りがもつ本当の力と、その祈りの源を探っていきたいと思っています。

エジプトを軸にしながら、そこから広がっていった香りの文化を、今度はヨーロッパの土地で自分の目で確かめたい。

その思いを胸に、私は南フランスへ向かいたいと思います。

この旅は、私にとって「香りの文化史」をたどる入り口のひとつ。

エジプトから始まり、オマーン、イエメン、そして南フランスへ。

祈りと香りがつながっていく道を、旅の中で感じたことを少しずつ皆さんにもお伝えできたらと思っています。

2025年9月10日 ソフィア

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