古代から伝わる美容オイル=ベンオイル

エジプトでは、はるか昔から香りが大切に扱われてきました。

中でも、紀元前3000年から1500年頃にかけては、

香油文化が最も発展した時代ともいわれ、

後に「香油の黄金期」と呼ばれるほど、精油や樹脂、植物油の扱いが洗練されていきました。

すでにその頃には、

植物のオイルに樹脂や香料を移し、

肌にまとうための香油が作られていたと考えられています。

その中でも、特に重宝されていたのが

モリンガの種から採れるベンオイル=Ben Oil でした。

軽くなめらかで、酸化しにくく、

香りを長く美しく保つ性質を持つことから、

王族や上流階級の香油のベースとして選ばれていたといわれています。

そこにフランキンセンスの樹脂を加え、

ゆっくりと成分を移していく。

このシンプルな方法によって、

樹脂の持つ香りとともに、

フランキンセンス由来の成分がゆっくりとオイルに移り、

肌になじみやすく、なめらかな使用感のオイルへと変わっていきます。

単に香りを楽しむためだけでなく、

肌にうるおいとやわらかさを与えるためのオイルとしても、

大切にされてきた製法です。

これは、古代エジプトで行われていた

香油でありながら肌にも用いられていたオイルづくりの考え方を、

いまもそのまま再現できる数少ない方法のひとつです。

特別に複雑な工程ではなく、

素材の力をそのまま引き出す、シンプルな発想。

だからこそ、時代を越えて残ってきたのかもしれません。

クレオパトラの時代には、

こうした香りの文化はすでに完成されており、

王妃たちはそれを日常の中で使っていたと伝えられています。

当時、こうしたオイルは女性だけのものではなく、

王や神官をはじめ、男性たちにも日常的に使われていました。

このオイルを使うことは、

古代エジプトの人々が大切にしていた

香りを楽しみ、美しさを引き出す習慣を、

今の暮らしの中に取り入れるような感覚に近いのかもしれません。

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