マグダラのマリアが選んだ香り ― ナルドという存在

何かを始める前。
何かが終わる前。
そして、決断を下す直前。

覚悟を受け止めるような時間があります。

越えなければならない、
未知の壁を前にしたとき。

言葉よりも先に、
感覚が必要になる時があります。

ナルド(現在スパイクナードと呼ばれている香り)は、そうした場面で使われてきた香りです。

天に届けるためだけの香りでも、
死や終わりに寄り添うためだけの香りでもありませんでした。

どちらかに傾くことなく、
「そのあいだ」に立つ香りです。

フランキンセンスが、天へ届ける、空へ向かう香りだとすれば、

ミルラは地に足をつける香り。

ナルドはその真ん中で、
立ち止まり、自分の方向を確かめる香りです。

気持ちを高めるというより、
これから起こることを受け入れるための香り。

このスパイクナードの香りが、再確認させてくれました。

立ち上がりが早く、
香りの輪郭がはっきりしているのも、
関係しているのかもしれません。

この香りは、
気分を高めたり、何かを起こしたりするためのものではありません。

むしろ、
これから起こることを、
落ち着いて受け止めるための香りです。

マグダラのマリアや、
香油を携えていたマイラフォーと呼ばれる女性たち。

香りを通して人に寄り添い、
癒しを担っていた彼女たちが求めていたのも、
おそらく、このような純粋なナルドの香りだったのでしょう。

現代では、
私たちは儀礼のために香油を使うことは、ほとんどありません。

けれど、大きな決断を前にしたとき。
環境や気持ちが変わろうとしているとき。
言葉がうまく出てこないとき。

そんな場面で、
香りがそっと支えになる瞬間は、今も確かにあります。

ナルド(スパイクナード)は、
そうしたときに、
自分の軸を見失わないための香りです。

何かを変えるためではなく、
自分の中心に戻るために。

沈みすぎない。重すぎない。揺れない。そしてクリア。

必要なときに、
寄り添ってくれる香りです。

マグダラのマリアが、
覚悟を受け入れるために、
イエスの最後の時に用いたと伝えられるナルドの香油。

その香りは、
同じヒマラヤの地から、
今も私たちのもとに届いています。

そして、ナルド(スパイクナード)は、

新王国時代以降、インド方面からもたらされた非常に高価な香料として、

古代エジプトの香料文化の中に取り込まれていったと考えられています。

ぜひ、
よりまっすぐで澄んだ精油になった香りを感じてみてください。

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