マグダラのマリアとスパイクナード
マグダラのマリアとスパイクナード
静かなる献身と香りの祈り・「純粋なナルドの香油」スパイクナード ―イエスに注がれた愛のしずく。
聖書の中で、マリアという女性が、イエスの足に「純粋なナルドの香油」を注ぎ、髪でぬぐったという場面があります。
その香りは家中に満ち、周囲に戸惑いと驚きを与えながらも、イエスはこう告げます。
「彼女は、わたしの葬りのためにこの香油を注いでくれたのだ」
このマリアは、古くからマグダラのマリアと結びつけて語られてきました。
香油を携え、十字架の傍らに立ち、復活の朝には墓を訪れた愛深き女性。
彼女こそが、**“香油を運ぶ者=Myrrophore(マイラフォー)”**の象徴なのです。
香油を入れたアラバスターの壺を手にしたマリアの姿は、時代を超えて私たちの心に語りかけてきます。
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『マグダラのマリアが使ったスパイクナードの産地』は?どこだったのでしょうか?
聖書は、その香油の産地について詳しくは記していないようです。
けれど、植物学と古代の交易の歴史を調べていくとあることに辿り着きます。
ナルド(スパイクナード)とは、ヒマラヤの高地に咲く芳香植物 Nardostachys jatamansi から得られる香油。
その源は
- ネパール、ブータン、北インドなどのヒマラヤ山脈の斜面
- ローマ帝国やユダヤでは、インドからの輸入品として知られる超高級品
つまり、マグダラのマリアが注いだ香油は、
ヒマラヤから遥か数千キロの道を越えて運ばれてきた、神聖で貴重な輸入香油だったと考えられるのです。
壺一つに、労働者の一年分に相当する価値のスパイクナードが入っていた。
それは、物質的な贅沢ではなく、魂のすべてを捧げる祈りの象徴だったのではないでしょうか?
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『スパイクナードに宿る象徴』
このナルドの香油ースパイクナードがなぜ、マグダラのマリアの物語において特別なのでしょうか。
それはスパイクナードという香りが、ただの芳香ではなく、深い象徴を意味するから。
- 死者の埋葬に用いられる香り(イエスの死と復活を予感させる)
- 愛と献身を表す香り(何も惜しまずに捧げる純粋さ)
- 王や神に捧げられる神聖さの象徴
スパイクナードはまさに、「愛の極み」「魂の献身」「癒しと変容」の香り。
だからこそ、マグダラのマリアは香油を使い癒す=Myrrophore(マイラフォー)”と呼ばれ、
いまもなお、香りを通して魂を癒す女性たちの象徴となっているのです。
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『現代のブータン産スパイクナードと、マグダラのマリアの思いの継承』
そして、ここに不思議な縁があります。
現在、私たちの手元に届くブータン産のスパイクナード精油。
それは、聖書時代のナルドの香油とまったく同じ植物から採れたもの。
産地も、かつての交易ルートの源と同じヒマラヤの山地にあります。
香りに触れたとき、私はいつも、壺を携えてイエスに近づいたあの女性の姿を思い描きます。
遥か2000年前の祈りが、今もこの香りの中に生きている。
そう感じずにはいられません。
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スパイクナードは、香りであり、祈りであり、魂の献身そのもの。
マグダラのマリアが捧げたように、私たちもこの香りを通して、日々の中にそっと想いを注いでいけたらと思います。
ブータンより届くスパイクナードは>>こちらから
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