揺らぐ時代に届いた香り-フランキンセンス-
(揺らぐ時代に届いた香り)
ちょうど2月24日、
オマーンからたくさんのフランキンセンスが空輸で届きました。
今、イランでの戦争の影響により、
オマーンからの空輸便や貨物に、大きな影響が出ている状況です。
今回の24日到着の荷物も、ドバイ経由で届きました。
不安定な情勢の中を通り抜け、
国境を越え、空を渡り、
この小さな日本の自由が丘のショップへと辿り着いた樹脂たち。
箱を開けたとき、どうしてかわからないけど、
ただ「仕入れた樹脂が届いた」という感覚ではありませんでした。
ちょうどエジプトに出発直前だったので、
今このタイミングで届いたことがとてもありがたく、感謝の気持ちが込み上げてきてたのかなっ、、、と思ったのですが、こういうことだったんだなって感じてます。
(フランキンセンスは、いつも「交易」と共にあった)
フランキンセンスの歴史は、交易の歴史でもあります。
古代オマーンや南アラビアから、
キャラバン隊が砂漠を越え、
香料はエジプト、ローマ、地中海世界へと運ばれていきました。
その道のりは決して穏やかなものではなく、
政治、戦い、支配、争い、
さまざまな時代の緊張の中を通ってきました。
それでも香りは、運ばれ続けてきた。
ハトシェプスト女王の時代も。
ローマ帝国の時代も。
そして、2026年の今も。
(不安定な時代の中で)
現代の私たちは、
飛行機や物流システムがあるから大丈夫だと思いがちです。
けれど、ひとつの紛争で
ルートは簡単に止まり、
当たり前だった流通は途切れてしまう。
今回、直前に届いたこのフランキンセンスは、
その現実を強く感じさせてくれました。
「いつでも手に入るもの」ではないこと。
この香りは、遠い土地と人の手を経て、
ようやくここに届くということ。
(今ここにあるということ)
サラーラの山に自生する木々。
Jabal Samhanの高い山に吹く乾いた風。
丁寧に選別された樹脂。
それが、今ここにある。
この状況の中で届いたことは、
偶然以上の意味を感じています。
それは単なる「樹脂の在庫」ではなく、
不安の多い時代に、
心を整えるための香り。
揺らぎやすい日々の中で、
自分の中心に戻るための香り。
そして、遠い土地と確かにつながっていることを思い出させてくれます。
(香りは時代を越える)
悲しいことに、戦争や政治的な緊張は、
形を変えながら時代ごとに起こってしまいます。
古代も、近代も、そして現代も。
けれど、香りは人の祈りや想いと共に、ずっと運ばれてきました。
このフランキンセンスもまた、
長い歴史の流れの延長線上にあります。
今、私たちがこの香りを手に取れること。
それ自体がとても尊くて、奇跡のように感じられます。
このタイミングで届いたフランキンセンスを、
大切に、丁寧に、必要な方へ届けていきたいと思います。
美しい翡翠色のコレクターズアイテムのフランキンセンス樹脂は、
おかげさまで、すぐに完売となりました。

あの特別なグリーンは、やはり出会いのようなものですね。
けれど今回、G1グレードのものも、ホワイトも、イエローも
とても美しい樹脂がたくさん届いています。
届きたての、みずみずしさを感じる粒たち。
今はまだ十分にご用意がありますが、
このような情勢の中、次がいつ、どのような形で届くのかはわかりません。
そして、当店でファンの多いイラン産のガルバナム。
イランから送っていただいている、大切な香りです。
古代エジプトの時代から交易で運ばれ、香油や薫香に使われてきた、歴史ある樹脂。
けれどこちらの樹脂の精油も、次回入荷はまったく未定となってしまいました。。。
香りひとつであっても、
産地の自然、
採取する人、
選別する人、
運ぶ人、
通関を通す人、
そして受け取る私たち。
さまざまな条件が重なり、
たくさんの人の手を経て、ようやく日本に届いています。
当たり前のように並んでいる小さな樹脂も、オイルも、
本当は、いくつもの奇跡が重なってここにある。
今、そのことをあらためて深く感じています。











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