マセレーションオイルが誕生します
マセレーションオイルって聞いたことありますか?
マセレーションオイルは、植物や樹脂をオイルに浸し、時間をかけてその成分をゆっくりと引き出していく抽出方法です。
熱や蒸留を使わず、太陽の光と温度、そして時間の力によってゆっくりと抽出します。
樹脂の中に含まれる油溶性成分や香り、色が少しずつオイルへと移っていきます。
この方法は特定の誰かが発明したというものではなく、人類が古くから自然に行ってきた最も原始的な抽出法のひとつです。
蒸留技術が確立される以前、古代エジプトやメソポタミア、インドなどの文化圏では、樹脂や植物を油に浸して香油として用いる方法が広く行われていました。
特に古代エジプトでは、フランキンセンスやミルラといった樹脂は、神殿での儀式や身体への塗布、保存処理などに使われ、油と樹脂を組み合わせた香油は非常に重要な存在でした。
蒸留によって得られる精油は「軽やかで揮発する香りの部分」を抽出するのですが、マセレーションは「樹脂そのものの重さや深さ」も含めてオイルに写し取る方法です。
そのため、より落ち着いた香りと、肌に馴染む質感を持ち、時間とともにゆっくりと変化していく特徴があります。
今回のオイルでは、フランキンセンス、ミルラ、そしてドラゴンブラッドという3種の樹脂を、ホホバオイルに別々に浸し、毎日太陽の光を受けながら約4週間かけて抽出を行います。月のサイクル一周します。
この過程の中で、軽やかな性質を持つフランキンセンス、深く重たいミルラ、そして色と存在感を持つドラゴンブラッドが、時間とともにオイルの中で溶け合い、一つの層を形成していきます。
ただ、この段階のマセレーションオイルは、非常に深く、ややぎゅっとした印象を持つ状態です。
そこで仕上げとして、オマーン産グレード1の当店が誇る最高のフランキンセンス精油と、ベンオイルを加えます。
この特別なフランキンセンス精油を加えることで、香りに軽やかな立ち上がりと広がりが生まれます。
そしてベンオイルは全体をやわらかくまとめ、肌へのなじみを高め、香りの持続を穏やかに整えてくれます。
この3つが重なることで、最初に香りが立ち上がり、時間とともに広がり、そして静かに残る。
という流れが生まれます。
このマセレーションオイルを肌にのせると、まず感じるのは、ゆっくりと広がっていく落ち着いた香りではないでしょうか?
強く主張する香りではなく、近づいたときにふわりと感じるような、やわらかな存在感があります。
塗った直後に一気に広がるのではなく、時間とともに少しずつなじみながら、肌の上で自然に変化していくのも特徴です。
その変化の中で、香りを意識する時間が生まれたり、ふと手を止める瞬間ができたりと、日常の中に小さな余白のようなものが生まれます。
特別なことをするためのものではなく、日々のケアの中で無理なく取り入れられる感覚。
このオイルは、そうした使い方にちょうどいい存在です。
そしてなんと言っても、古い古い、古代製法です。熱は太陽のみ。全て手作業。機械は使いません。
また、このオイルに使用されている樹脂や植物は、自生しているもので構成されています。
厳しい環境の中で育つフランキンセンスやミルラの樹木は、強い日差しや乾燥、限られた水分の中でゆっくりと成長し、その過程で樹脂を生み出します。
その樹脂は、外的環境から自らを守るために分泌されるものであり、古くから人々はそれを香りや油として取り入れてきました。
自然の中で育った植物の持つバランスや力強さは、香りや質感にもそのまま現れます。
このオイルは、そうした植物の性質をできるだけそのままに写し取るようにして作られています。
肌への使用においては、ホホバオイルとベンオイルをベースにしているため、なじみが良く、しっとりとした使用感が続きます。
ホホバオイルは皮脂に近い性質を持ち、肌に自然に広がりやすく、乾燥を防ぎながらやわらかく整えます。
ベンオイルはそのなじみをさらに高め、オイル全体をやさしくまとめる役割を果たします。
そこに、フランキンセンスやミルラといった樹脂由来の成分が重なることで、肌に落ち着いたうるおい感が加わります。
強い刺激ではなく、日々のケアの中で心地よく使い続けられる設計です。
一見するとシンプルに見える製法ですが、実際には原料の選定、配合バランス、抽出の管理、濾過のタイミング、そして最終的なブレンドに至るまで、細やかな調整が積み重なっています。
同じ材料を使えば似たものを作ることは可能ですが、
香りのまとまり、肌へのなじみ、そして時間とともに変化していくバランスは、簡単に再現できるものではありません。
このオイルは、22年にわたりオーガニックや植物素材のみにこだわった製品づくりを続けてきた工房とともに仕上げられています。
原料の選定から抽出、濾過、そして最終的なブレンドに至るまで、長年の経験に基づいた細やかな調整が重ねられています。
一見シンプルに見えるマセレーションオイルですが、
肌に触れたときのなじみ、香りの広がり方、そして時間とともに変化していくバランスまでを考え、丁寧に整えられたものです。
現在、ゆっくりと時間をかけて抽出を進めています。
完成は5月中旬以降を予定しています。
どのような仕上がりになるか、ぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
これからの季節にもお使いいただけます。
ホホバオイルとモリンガをベースにしているため、重たさやベタつきが出にくく、肌になじみやすいのが特徴です。
また、ホホバやベンオイルは酸化しにくい性質を持つため、暑い時期でも比較的安定した状態でお使いいただけます。
少量を手に取り、肌に軽くなじませるようにお使いいただくと、季節を問わず心地よく取り入れていただけます。











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