なぜ スパイクナードが貴重なオイルなのか?

スパイクナード精油(ナルドのオイルまたはジャタマンシとも呼ばれる)は、ヒマラヤ地域、特にインド、ネパール、ブータンに自生するスパイクナード植物(Nardostachys jatamansi)から抽出されます。

このオイルが「希少」とされる理由には、いくつかの重要な要素があります。

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1. 限られた場所に生息

スパイクナードは、ヒマラヤの特定の地域にのみ自生します。栽培も主にこれらの地域に限られているため、植物自体の供給が制限され、結果として精油の生産量も限られます。

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2. 難しい収穫と抽出プロセス

スパイクナード精油は植物の**根(リゾーム)**から抽出されますが、これは非常に手間のかかる作業です。根を丁寧に掘り起こし、洗浄し、蒸留する必要があり、その一つ一つが時間と労力を要します。この複雑なプロセスと植物の希少性が相まって、生産には高いコストがかかります。

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3. 高い需要と限られた供給

スパイクナード精油は古代より、伝統医療・香水・宗教儀式などで大切に扱われてきました。その神秘的で唯一無二の香りは今も多くの人々を惹きつけており、需要が高い一方で供給が限られているため、希少で高価なオイルとして位置づけられています。

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4. 環境条件の影響

スパイクナード植物の生育には、標高・気候・土壌といった特定の環境条件が必要です。これらの要因が変化すると、植物の生存や分布に直接影響し、生育地がさらに限られてしまいます。

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こうした理由から、スパイクナード精油は現在でも非常に希少であり、一般的な精油と比べて高価になってしまいます。その希少性と特異な特性が、今なお多くの文化的儀式や香水、アロマセラピーの分野で愛され続けている理由なのではないでしょうか。

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なぜ、ブータン産スパイクナードはさらに特別なのか?

ヒマラヤのいくつかの国々で採れるスパイクナードの中でも、ブータン産は極めて貴重とされています。

その理由は、単なる“産地”の違いではなく、自然と精神性に深く根ざした国の「在り方」にあるように感じます。

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1. 厳しい自然保護と収穫制限

ブータンでは、政府が環境保全に非常に力を入れており、野生植物の採取には厳格な許可が必要です。

乱獲を防ぎ、自然との調和を最優先にする国の方針のもと、無理な大量生産は一切行われていません。そのため、精油の生産量はごくわずかに限られます。

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2. ほぼすべてが“野生種”

ブータンで採れるスパイクナードは、人工栽培されたものではなく、自然の中で自生しているもの

そのため、植物自体の生命力が強く、香りも非常に深く繊細で清らかです。

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3. 聖なる山のエネルギーを宿す

ブータンは“幸せな国”とも言われる、精神性の高い国。

その山々で育ったスパイクナードには、どこか祈りや静けさを感じさせる気配が漂っています。

その香りは、単なるアロマや精油を超えた神聖な癒しをもたらしてくれると、多くのヒーラーにも愛されています。

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4. 流通量が極めて少ない

他国に比べ、ブータンでは海外輸出向けに精油を大量生産する文化がほとんどありません

そのため、市場に出回るブータン産スパイクナードはごくわずか。

この希少性が、その価値をより一層高めています。

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◎ なぜブータン産の スパイクナードは緑なのか?

それは、ヒマラヤの大地が育んだ“自然のまま”の色。

低温蒸留で、葉緑素や根の精がそのまま精油に溶け込んでいます。

混ぜ物のない、純粋で静かなグリーンが美しいです。

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香りに込められた静けさ、祈り、大地の記憶。

ブータン産スパイクナードは、まさに“聖油”と呼ぶにふさわしい存在です。

 

 

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